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ガンホーだからこそオンライン要素が必要だった

日付:2010/11/04  転載:http://www.iroiro-rmt.jp  アクセス回数:1146

 10月25日,ディファ有明で開催された「ラグナロクオンライン ファン感謝祭2008」。「ラグナロクオンライン」関連のさまざまな新情報も発表されるなど,ファンには楽しい一日になったのではないだろうか。
 イベントでは,「ラグナロクオンラインDS」のカンファレンスも行われ,ガンホー?オンライン?エンターテイメント社長 森下一喜氏,ガンホー?ワークス社長 大場規勝氏,同じくアシスタントプロデューサー 畠山寛生氏によるトークショウで,新職業の特徴やPC版との連動アイテムについてなどが明かされた。
 新情報がだんだんと明らかになってきたが,まだまだ気になることも多い。そこで,イベント中の忙しい合間を縫って,出演した三人にインタビューを行った。さすがに長時間とはいかなかったが,ニンテンドーDS版(以下,DS版)をプラットフォームに選んだ理由や,本作のウリの一つ“蜃気楼の塔”についての話を聞いてみたので,DS版が気になっている読者はぜひ確認してみてほしい。

DS版の新職業「シャーマン」(左)と「ダークナイト」(中,右)


なぜ,ニンテンドーDSである必要があったのか



ガンホー?オンライン?エンターテイメント社長
森下一喜
4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。ではまず,「ラグナロクオンラインDS」の開発に至る流れを教えてください。

森下氏:
 まず2002年の時点で,マルチプラットフォームでブランド化を進めるという構想を持っていました。ただ,そのときはいわゆる次世代機が出ていませんでしたから,まだ時期尚早でした。実際にDS版の企画がまとまったのは,2007年の時点です。

4Gamer:
 次世代機,すでに現行機といっても良いかもしれませんが,ニンテンドーDS(以下,DS)やプレイステーション?ポータブル(以下,PSP)が発売されたのは2004年末でしたね。なぜプラットフォームをDSに決めたのですか?

森下氏:
 DSをプラットフォームに選択した理由は,やはりWi-Fiで通信プレイができるというところです。これが基本的な理由ですが,ラグナロクオンラインのプレイヤーが慣れているマウス操作と,DSならではタッチペンを使ってアクションRPGをプレイする部分で,親和性が高いものになるのではという理由もありました。

4Gamer:
 通信プレイとタッチペンでの操作感が理由になったわけですね。通信プレイでいえば,現在となっては各プラットフォームで,ネットワーク機能が充実していますね。

森下氏:
 ええ,別にWiiやXBox 360でもプレイステーション3でも,あるいは,まもなくアドホック?パーティが始まるPSPでも,いまはプラットフォームとしての選択の可能性はあります。
 私自身,PCとコンシューマのゲームの垣根がなくなるだろうというのは以前から言っているのですが,各プラットフォームもまたオンラインに対応しています。ですので,ガンホーとしてオンラインゲームのプラットフォームを拡大するため,2007年に企画を始めて,ガンホー?ワークスを設立したこともあり,本格的にPC以外のマルチプラットフォームへの展開を図っていこうと考えたのです。

4Gamer:
 マルチプラットフォームを進めていくとのことですが,では今後,ラグナロクオンラインの世界は,DS以外のコンシューマ機へ展開していく可能性もあるわけですか?

森下氏:
 可能性で言えば,もちろんあります。ガンホーグループは,まずガンホー?ワークスがコンシューマのサードパーティの役割となり,ガンホー?オンライン?エンターテイメントがオンラインゲームのサービスを提供しています。
 これに加え,ゲームアーツでは,任天堂さんのセカンドパーティとして,また,ソニーさんのセカンドパーティとしても開発を行っています。マイクロソフトさんでは,実際にXbox 360向けのゲームを開発し,ほかのパブリッシャさんから発売されています。
 このようにガンホーには,すべてのプラットフォームでやっていける土台があります。ですので,作るゲームの特性を,どのプラットフォームであれば,どう生かせるかを考えることが重要になります。

4Gamer:
 なるほど。さらなる今後の展開が楽しみになりますね。DS版ではスキルの発動や,先ほども話されていたように,マウスの操作性と親和性の高いタッチペンが利用できますが,このほかにDSだからこその特徴はありますか?

ガンホー?ワークス アシスタントプロデューサー
畠山寛生
畠山氏:
 DSで特徴的なのは,やはり上下の二画面です。ラグナロクオンラインDSでは,下の画面でタッチパネル操作を行い,上の画面を情報ウィンドウとしてフルに生かすことができるので,仲間がどういう状態なのか,自分がどこにいるのかといったことがわかりやすくできます。また,ログウィンドウを上画面に表示し,必要な情報はすべて上に集めて,下画面をプレイに大きく使うといった,使い分けがしやすいです。

大場氏:
 それとやはりWi-Fi通信ですね。

4Gamer:
 当初の発表では,本作に通信プレイ要素を載せるのか載せないのかは,はっきりとアナウンスされていなかった記憶があります。Wi-Fi通信を利用するというのはどの段階で決定したのでしょうか。

森下氏:
 企画中,どうしていくのかずっと模索していました。ゲームデザインとしてどういう形が合っているのかと,いろいろヒアリングを行い,最終的にはガンホーが出すならば,オンラインとして通信プレイの部分をフルに使っていかなければ,意味がないだろうということになりました。そしてWi-Fiの通信機能を使った“蜃気楼の塔”を盛り込んだわけです。

4Gamer:
 オンラインでやってきた,ガンホーだからこその選択ですね。

森下氏:
 はい。ただ,通信プレイといってもいろいろあって,例えば対戦物にするのか,協力プレイにするのか,それ以外にも形はいろいろあるでしょう。
 ラグナロクオンラインといえば,プレイヤー同士,いわゆる仲間との協力プレイを前面に押し出すことがもともとのコンセプトなので,ゲームのシナリオに沿って,“蜃気楼の塔”という形で実装していこうと決まりました。

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