カリブ海で独裁国家を築き上げ,内需や観光業の育成によって国家財政を破綻させることなく成長させていくのが目的の国家経営シミュレーションゲーム最新作「Tropico 3」が,Gamescom会場で公開されていた。同シリーズは,もともと「Railroad Tycoon II」(1998年)などで知られるアメリカのPopTop Softwareの作品だったが,Tropico 3を制作す るのはフランスのKalypso Mediaで,開発はブルガリアをベースにするHaemimont Gamesに委託されている。
ゲームのベースとなるのは,冷戦下にあるカリブの某島。独裁的なリーダーとはいえ,国家経営はなかなか簡単にはいかないもので,プレイヤーはアメリカやソビエトの介入に対処したり,税が高過ぎると暴動を起こす民衆を押さえ込んだり,楽しくなければすぐに立ち去ってしまう観光客のご機嫌とりをしたりといった,涙ぐましいほどの努力を行っていくわけだ。
Tropico 3では,プレイヤーは何種類か用意された独裁者から好みのものを選択し,その特殊能力を生かしながら国家を運営していくというシステムに変わっている。カリブ界隈の有名な独裁者をモチーフにしたのが明らかなキャラクターもいれば,ピザの出前からエル・プレジデンテの地位に上り詰めたという架空のキャラクターもいる。今回のデモのセットアップ画面では,これとは別にプレイヤーが好みのキャラクターを作れてしまうようだった。
シングル用キャンペーンでは,上空写真で紹介される島々に,事前にミッションが設定されているものが複数あるほか,ランダムに島をジェネレートして,好みのデザインに仕立てることも可能だ。会場に用意されたデモはドイツ語だったので,そのミッション内容などが詳しく分からなかったのだが,油田や農業,観光地の整備をしつつ,「同性愛結婚を認める」というような細かい法律まで調節できるようになっている。ゲームの操作は前作や「シムシティ」のような感覚でとっつきやすく,何より高解像度の美しいグラフィックスは大きな武器となりそうだ。
Tropico 3は9月中に英語版とドイツ語版が,PCならびにXbox 360向けにリリースされることになっている。PC版は,プレイヤー自身がミッションを作成できるシナリオエディタも付属するなど,うれしい特典もあるようだ。このところ,美しいグラフィックスを武器にした臨場感のある国家経営シミュレーションがヨーロッパで多く生産され始めているが,Tropico 3はそんな代表作の一つとなるかもしれない。
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