NCsoftは,G★2009の開催に先立つ11月24日,同社のMMORPG「The Tower of AION」に関連した新ムービーを公開した。日本でもほぼ同じタイミングで公開されているが,グラフィックスのリファインを始めとし,オープンエリアでのハウジング/破壊,水中での冒険,新スキルや職業,首都攻防戦など,AIONプレイヤーにとって目をひかれる映像が次から次へと登場するムービーだ。
とはいえ,アップデート要素の単なる紹介というわけでもなさそうである。あのムービーは一体何なのだろうか?
ブースの巨大スクリーン
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それを確かめるためにNCsoftブースへ足を運んだのだが,巨大スクリーン(横幅が20メートルはある)に例のムービーが繰り返し上映されているだけ。試遊機など,手がかりになりそうなものはなく,謎は深まるばかりだ。
ここでおとなしく期待するだけで終わるわけにもいかないので,さっそくAIONの運営チームとコンタクトを取り,例のムービーをはじめとして,いくつか聞いてみた。対応してくれたのは,NCsoftのAION運営チームリーダー長である,Jin-Won Yun氏だ。
ただし,今回のインタビュー内容は
あくまでも韓国版のAIONに関してである。ワールドワイド展開を行うAIONでは,話に出てきた新要素が日本版へ導入されることも十分期待できるが,確定事項というわけではない。くれぐれもご了承を。
ムービーの正式名前は“AION 3.0”ではなく
“AION Vision”
AIONの運営チームリーダー長(AION Team Leader/Public Relations Team)であるJin-Won Yun氏
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何はともあれ,気になるのは例のムービー。一部の韓国メディアが「3.0アップデート」と報じたことから,日本でもそのように受け止めている人がいると思われるが,結論からいえば“3.0”ではなく,
記事でもお伝えしたように「ビジョン映像」。
ではなぜ3.0という言葉が出てきたのかといえば,以前,韓国メディア向けのカンファレンスで,NCsoftの社長がそのように発言し,そこから情報が一人歩きしていったというあたりが本当らしい。
はっきりしたアップデート予告ではなく,あくまでビジョンを描くムービー。残念,と思う人もいるかもしれないが,ムービーに登場したコンテンツは決して見せかけだけではない。少なくとも技術的には十分に実現可能であり,その証拠に,AION Visionでは
プリレンダのムービーを用いておらず,すべてインゲームの映像を収録しているとのことだ。
ゲームエンジンである「CryENGINE」のバージョンも,2.0や3.0には上げておらず,従来どおり,最初のバージョンに独自のカスタマイズを施した「1.x」(通称)を用いている。もっともJin氏としては,バージョンはあまり意識しておらず,あくまでコンテンツの中身で勝負したいという。
AION Visionで紹介された各コンテンツについてJin氏は,「映像を何度も繰り返し見て想像を含まらせて下さい」と繰り返す。韓国のメディアからも質問攻めにあい,ちょっとまいっているようだった。
というわけで,あまり詳しく答えてはもらえなかったのだが,ニュアンスとしては「技術面の問題はクリアされているが,例えば首都攻防戦や騎乗ペットの成長システムなど,バランス調整までには至っていないコンテンツが残っている」ようだった。あれだけの新規コンテンツ量なのだから,仕方ないだろう。
また,このタイミングでAION Visionを公開した理由については,「せっかく大きなゲームショウが開催されるので,もう少し未来のことを含め,AIONのMMORPGとしての可能性を見せたいと思いました。いずれにせよ
2.0アップデートの詳細は近いうちに公開される予定ですし」と,さらりと重要なことを語るJin氏。
近日公開されるという2.0アップデート。過去のアップデートを振り返ると,発表からライブサーバーへの実装スパンが結構短いこともあり,「近いうち」がどれくらい近いうちかにもよるが,韓国では年内実装という線も?
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