ずっと笑みを浮かべながら取材に応じてくれたNam氏。どっしり座って構えるタイプの社長ではなく,終始控えめな態度であったが,その意志は強く,信念は固い
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作品自体がよく知られている割に,生みの親である開発会社についてはほとんど知られていない「レッドストーン」。その開発には一体どんな人が携わっているのか,どんな将来プランを描いているのか。そのあたりの謎を解決すべく,G★のタイミングでインタビュー時間を取ってもらうことができた。
レッドストーンの今後のUpdate,そして本邦初公開の「レッドストーン2」の情報と共に,日本では滅多に表に出ない,レッドストーンの開発元L&K Logic Koreaの社長Nam, Taek-won氏の姿をお伝えしよう。(Interview by Kazuhisa,photo by kiki)
4Gamer: こんなタイミングでわざわざ時間をとっていただいて,ありがとうございます。
Nam, Taek-won氏(以下Nam氏): こちらこそありがとうございます。インタビューまでしてくれて。(←日本語だった)
4Gamer: 日本では,レッドストーン自体は有名なゲームではありますけど,その開発会社であるL&K Logic Koreaについてはほとんど知られていないと思うので,まずそのあたりからお聞きしたいのですが……って,もしかして日本語でインタビューできたりしますか?
Nam氏: イッパイ キジ カイテ ホシイ(笑)。……いえ,さすがにインタビューを受ける自信はないので,すいません韓国語で失礼します。
4Gamer: 十分大丈夫そうな気もしますが……。
では改めて。開発会社として,今までどんなものを作ってきたのかというのを,日本のユーザーに一度紹介してもらえませんでしょうか。
Nam氏: 2000年にPCパッケージゲームとして「鏡戦争」というタイトルを作りました。そして2001年に,その拡張パックとして“銀の女人”という作品を作りました。その後,簡単なシューティングゲームを2,3本作って,携帯電話用に「鏡戦争GP」(GP=GamePhone)という作品を。
そして2003年5月から,「レッドストーン」のクローズドβテストを始めました。
4Gamer: 鏡戦争って,英語名はそのままですか?
Nam氏: ええ。Mirror Warsです。そういえば,先日秋葉原でMirror Warsのパッケージを見ましたよ。ちょっと嬉しかったです。
4Gamer: おや,日本にいらっしゃったんですね。
Nam氏: ええ。正式には発売してないので,あのなんでしたっけ……輸入ゲームがたくさん置いてあるところ(編注:カオス館のような店舗だと思われる)で見かけました。日本はたまに行きますよ。ゲームオンさんと色々相談がありますので。
いまとなっては地味さがぬぐえないが,いまだ多くのプレイヤーを抱える「レッドストーン」。ノートPCでも普通にサクサク動くのは,大いなるメリットだ
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わずか半年でクローズドβまでこぎ着けたことが判明。いくらある程度の企画が煮詰まっていたとはいえ,驚異的な速さだ
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■最初のMMORPG「レッドストーン」は半年で完成した4Gamer: ということは,もしかしてオンラインゲームとしては「レッドストーン」が最初の作品なんですね。
Nam氏: ええ。
4Gamer: いきなりゼロからMMORPGを作っちゃったんですか?
Nam氏: いえ。もともとはパッケージゲームとして企画されたもので,ストーリーとかもちゃんと考えてありました。しかし2002年以降,韓国パッケージゲームマーケットの状況が急激に悪化したので,オンラインゲームに転換したんですよ。それ自体はうまくいったと思います。
4Gamer: パッケージゲームの企画からオンラインゲームへとシフトしたのは,どのタイミングですか? その後どれくらいの期間で完成されたのかも気になります。
Nam氏: オンライン化という決定は2002年末ですが,その6か月後にはクローズドβテストを開始できました。
4Gamer: ……結構早くないですか?
Nam氏: ちょっと急いでやらないとマズいぞ,という気がしてまして(笑)。ちなみにゲームオンさんとの契約は2004年の11月で,2005年の1月にはオープンβを実施しました。
4Gamer: うーん,やっぱり早いですね。それまでオンラインゲームを作ったことがないということは,サーバー運営のノウハウとか,そもそも開発上のテクノロジー周りでとても難しいものがあったと思うんですが,この早さでできた理由はなんですか?
Nam氏: サーバープログラミングとかテクノロジー的な部分は,プログラマー達の能力が凄かったんだと思います。運営に関しては,サムソン電子からのサポートがとても良かったんですよ。
“絶対成功させるぞ”というチャレンジ精神が高かったこともありますが,正直に言うならば運が良かったのではないかと(笑)。
4Gamer: 運よく成功したんですね(笑)。
Nam氏: まぁでも,その時までオンラインゲームに関してまったく関心がなかったわけではなかったですしね,さすがに。2000年のMirror Warsの時に,オンラインゲーム化に関していろいろと考えていた企画が基盤になったんじゃないかと思います。
4Gamer: じゃあ,ある意味事前の仕込み作業はあったんですね。突然,明日からオンラインゲーム作るぞ! と言ったわけではなくて。
Nam氏: オンラインゲーム作るぞ! と決定したあとは,確かに6か月で完成しましたが,その決定の5か月前から悩んでますから。
4Gamer: それにしても6か月って,結構早いですよね。当時は何人ぐらいで作っ
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