G★2009にプレイアブル出展されていた次世代MMORPGの注目作,「TERA」の
プレイレポートをお届けする。
TERAは,かつて「Lineage II」のプロデューサーを務めていたPark Yong Hyun氏らが中心となって設立した,Bluehole Studioの処女作。開発作業は順調に進んでおり,韓国では先日2次クローズドβテストが終わったところで,日本での運営に関しても,NHN Japanが運営するゲームポータルサイト「ハンゲーム」を通じてのサービスがすでに発表されている。
4Gamerでは以前からTERAに関する記事をいろいろと掲載しており,今回のG★2009でもさっそく,会場内で上映されている最新プロモムービーを紹介している。ゲームの基本的な知識についてはすでに何度かお伝えしているので,本稿では多くのゲーマーが最も気になるであろう「MMORPGとしてのポテンシャルは実際のところどうなのか」を重点的に見ていきたい。
※2009年11月27日16:30,直撮りプレイムービーを追加しました
キャラメイキングからログインまで
まずはキャラクターメイキングから。今回のプレイアブルバージョンでは,作成可能な六つの種族はそれぞれ性別が決まっており,具体的にはヒューマンは男性,ケスタニックは女性,アマンは男性,ポポリは男性,ハイエルフは女性のみとなっていた。残るバラカに関しては性別表記がなく,もしかすると(FFXIのガルカのように)性別の概念そのものがない種族なのかもしれない。
職業は,剣闘士,槍騎士,武士,狂戦士,魔法使い,司祭,弓士,精霊師の8種類。一部,種族によっては選べない職業があるが,たとえば「ハイエルフ+武士」のような,ちょっと意外な組み合わせも選択できた。設定的に無理な組み合わせが行えないというより,単に今のところモデリングが実装されていないだけという可能性もある。
外見のカスタマイズに関しては,髪型,フェイスタイプ,髪の色などが調整可能。それらのボリューム自体はほかのMMORPGと同等だが,一見して「誰が選ぶのだろう」といったものは見当たらない。しかし今回のバージョンではキャラクターメイキングはできるものの,自分で作成したキャラクターでのプレイはできなかった。試遊台ではあらかじめレベル18のキャラクターが全職業で用意されており,会場内に居合わせたほかのプレイヤーと同じエリアへログイン。基本的にはこのエリア内で,NPCからクエストを受けたり,モンスターと戦ったりするという内容で,今回プレイできるのはこの1エリアだけのようだった。
実際にプレイして最初に目を引いたのは,グラフィックスのクオリティの高さである。グラフィックスエンジンにUnreal Engine 3を採用したTERAは,そのリアルなグラフィックスが注目されることが多いが,個人的にはむしろ,技術ではなくセンスが優れていると感じた。実写並のリアリティがあるだけでなく,幻想的なファンタジー要素が絶妙なバランスで盛り込まれているのだ。
これは風景だけでなくモーションに関してもいえ,基本的にはリアル路線なものの,ときにはコミカルささえ感じられる。たとえばポポリが身の丈ほどもある両手斧を振り下ろすと,その瞬間,斧に重心を取られて体が浮き上がったりする。多くの日本人にとっても,TERAのグラフィックスはかなり満足できるレベルではないだろうか。
ノンターゲッティング戦闘
TERAにおけるもう一つの注目点は,バトルシステムがノンターゲッティング制であるという点だ。ノンターゲッティングシステムは,モンスターをロックオンして戦うシステムと比べると繊細なアクションが実現できる一方で,ラグなどの影響を受けやすいという弱点もある。エリア内の許容人数が多いMMORPGで,どこまで高いアクション性を実現できているのかが,もっとも気になる部分だ。
まず操作システムから確認すると,TERAではターゲットの捕捉を自分で行う必要があるため,戦闘中のマウス移動は基本的に視点変更のみで用いる。FPSでの視点変更をイメージしてもらえば分かりやすいだろう。左Altキーを押すとカーソルが表示され,各種メニューの実行やスキルスロットの登録などが行えるが,その間は視点変更が行えない。