今年、創立25周年を迎える演劇集団キャラメルボックス。そのメモリアル?イヤーを飾る第1弾『クロノス?ジョウンターの伝説』の製作発表が1月28日、都内にて行われた。
演劇集団キャラメルボックス製作発表、その他の写真
1985年の旗揚げ以降、一貫して“人が人を想う気持ち”をテーマにしたエンタテインメント作品を作り続けているキャラメルボックス。ファンタジーから時代劇までレパートリーは多岐にわたるが、中でも、劇団創立初期から彼らが得意としてきた“タイムトラベルもの”は、特に人気が高い。今回上演するのは、作家?梶尾真治による傑作小説『クロノス?ジョウンターの伝説』シリーズを原作とする2作品で、お得意のタイムトラベルもの。過去に彼らはこのシリーズを4作品舞台化しているが、今回上演される『ミス?ダンデライオン』は4年ぶりの再演、そして『南十字星(サザンクロス)駅で』は新作にして、シリーズ完結編だ。
このシリーズは、物質を過去に飛ばす装置クロノス?ジョウンターに関わった人々のドラマをオムニバスで紡ぐ物語。脚本?演出を手がける成井豊は、「本屋でたまたま手に取り、一読感動! もともと大好きなタイムトラベルもので、しかもラブストーリーでもある、自分にとっては百点満点の本」と惚れ込み様を熱く語る。一方、原作者の梶尾は「いずれも物語を成井流に咀嚼し、しかも私の考えているものと全く齟齬がない。すばらしい限り」と舞台版を絶賛。実際、クロノス?ジョウンター開発者、野方耕市などは、舞台で演じた「西川(浩幸)さんが強烈に頭に焼き付いてしまった」そうで、小説が進むにつれ、野方の風貌に西川を彷彿とさせる記述が出てくるほどだ。
そして、新作『南十字星駅で』(原作は『野方耕市の軌跡』)では、その野方がついに主人公。今まで過去に跳ぶ人々を制止する側だった彼が、ついにクロノスに乗る。演じるのはもちろん、シリーズ全編を通して野方を演じている西川浩幸だ。「梶尾先生が新しくこの本を出された時、正直ものすごくプレッシャーだった」と苦笑しつつも、「今回で5回目。ひとつの役で色んな世界を生きてこられて、本当に幸せ」と語る。また、もう一方の『ミス?ダンデライオン』に出演する岡田達也は「クロノスは不完全、欠陥があるゆえに魅力がある。シリーズで唯一再演される意味をかみしめて、舞台に立ちたい」と話していた。
なお上演は“ハーフタイムシアター”という形態で行われる。これはキャラメルボックス独自のスタイルで、1作品60分という短い時間で行うもの。「この上演時間だと気軽に足を運んでいただける。実際、ネクタイ姿の社会人のお客様が増えました」と製作総指揮?加藤昌史。普段あまり演劇になじみがない方も足を運んでみては。公演は2月18日(木)?22日(月)大阪?サンケイホールブリーゼ、2月26日(金)?28日(日)愛知?名鉄ホール、3月4日(木)?5日(金)東京?なかのZERO 大ホール、3月12日(金)?4月4日(日)東京?サンシャイン劇場。チケットはいずれも発売中。
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