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パナソニック初の3Dテレビ、VIERA「TH-P54VT2」の使い勝手は?(前編)

日付:2010/10/30  転載:http://www.iroiro-rmt.jp  アクセス回数:1244

 パナソニック“VIERA”のハイエンドシリーズ「VT2」は、Blu-ray 3Dのフルハイビジョン3D映像を再生できる初の“3Dテレビ”だ。

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 今回は、54V型の「TH-P54VT2」と3D対応Blu-ray Discレコーダー「DMR-BWT3000」を一緒に借りることができたので、3D視聴時の使用感を中心にレビューしていこう。なお、画質については、別記事で詳しく触れられているので、あわせて参照してほしい。

 今年2月に華々しく発表されたVT2シリーズ。4月下旬に58V型と65V型が追加され、現在は50?65V型の4サイズをラインアップしている。これらは、画面サイズ、本体サイズ、重量以外に機能的な差異は少なく、50V型のみスタンド部の形状が異なる程度。いずれも3D視聴に必要な3Dメガネが1つ標準で付属する。

 さっそく本体の外観からチェックする。フレーム部は光沢のあるタイプで、上端と下端にシルバーの細いアクセントが入る。光沢といっても鏡のように反射するわけではなく、映り込みはさほど気にならない。フレーム幅は左右と上が50?60ミリ程度のため、いわゆるスリムフレームとまではいえないだろう。

●注目の3D機能の使い勝手

 注目の3D機能を検証する前に、3Dテレビの基本的な仕組みをおさらいしておこう。テレビの3D機能には、再生とコンテンツ伝送に複数の方式がある。本機は再生方式としてフレームシーケンシャルを採用。通常、映像は1秒間に60フレームの静止画を表示することで映像を表現しているが(放送波はインタレース、BDビデオなどはプログレッシブ、例外もあり)、これを120フレーム/秒に引き上げて左目/右目用の映像を交互に表示。高速シャッター付きの専用メガネ(同社では3Dグラスと呼んでいる)を同期させ、左目には左目用の、右目には右目用の映像だけが見えるようにすることで、視差を作り出す仕組みだ。

 コンテンツ側は、「Blu-ray 3D」として規格化されている。ディスクには、右目用、左目用にそれぞれの映像が記録されるが、新しいフォーマットにより記録容量は1.5倍程度の抑えられており、フルHD解像度のままで60フレーム/秒のなめらかな3D映像が再生できる。一方の放送波は、送信帯域が決まっているため、画面を左右に分割して左右の目用の映像を横に並べて送信するサイドバイサイド、上下分割して縦に並べるトップアンドボトムが採用されている。本機は、ここに上げた3方式全ての対応している。

 では、実際の使い勝手はどうだろうか。

 今回は、同社の3D対応BDビデオレコーダーの「DMR-BWT3000」を組み合わせて試用した。再生するコンテンツは、付属の「3Dブルーレイディスクお試し版」と、BS11の3D放送番組を録画したBD-Rだ。

 Blu-ray 3Dのディスクを再生する場合、本機側の3D方式切替を「オート」に設定しておけば自動で3D表示に切り替わる。もちろん専用メガネをしていないと映像が左右にぶれたような映像になってしまうが、3D映像を楽しむという点では手軽だ。

 一方、リアルタイムの3D放送や、それを録画したBDを再生する場合には「サイドバイサイド」、もしくは「トップアンドボトム」(現状、ほとんどサイドバイサイドでの放送だが)を手動で設定する必要がある。操作は、「らくらくアイコン」→「3D映像」→「3D方式切替」で選択。もちろん3D映像を見終わったら設定を元に戻す必要もあり、意外と面倒だ。

 3D放送の部分を2D映像として見る場合にも適切な設定にする必要がある。例えば録画した「サイドバイサイド」の3D放送を見終わってレコーダーの録画一覧に戻ると、左右2分割の画面が重なって1画面に表示された表示になる。今回のようにVIERAとの組み合わせ限定でも良いので、明らかに3D表示が不要の状態では自動で3D表示をキャンセルする機能は持っても良いのではないだろうか。

 また、例えばプリセットを指定しておき「オート」と「サイドバイサイド」もしくは「トップアンドボトム」のいずれかをリモコンのワンボタンで切り替えられるような機能も必要ではないかと感じた。

 3D映像の視聴に必要な「3Dグラス」は、ボタン電池(CR2032)1つで連続使用時で約75時間動作する。テレビからの3D映像用の同期信号が5分間途切れると自動で電源オフになる仕組みで、電源の切り忘れはない。ノーズパッドは2種類が付属。取り付け位置は3段階で調節できる。

 筆者は近視なのでメガネをしたままで使用したが、この場合、マニュアルではノーズパッドなしの利用を推奨している。実際にかけてみると、ちょうど3Dグラスがメガネのフレームにのるような形となり、さほど違和感は感じない。メガネのフレームが大きい場合などはまた感じ方は違うと思うが、装着が難しいといったケースはそうそうないだろう。

 3Dグラスのアクティブシャッターを同期させる赤外線発信部は、テレビ最下部の左右に2個所ある。テレビから4?5メートルの範囲ではまったく問題なく動作する。また、メガネの同期は一定間隔で行っているようで、ちょっと後ろを振り向いた瞬間に3Dグラスの動作がいちいち停止するといったこともなかった。使い勝手は上々といえる。

 本機の画質については、既に麻倉怜士氏の連載で触れているので基本的に割愛させていただく。ただ、BS11でサイドバイサイド方式で放送している「D紀行 江ノ電で巡る湘南?鎌倉」を録画して視聴してみたところ、おそらくステレオカメラで撮影したままの3D映像は、立体感の誇張もなくすんなり楽しめた反面、やはり解像感はSD放送並みで、ハイビジョン映像という印象は受けなかった。もちろんこれは本機の問題ではないし、解像感が低いからといって3D映像が楽しめない訳ではないが、3D放送に過大な期待を持ってはいけないとも感じる。超解像技術などの対応策は必要かもしれない。

 後編では、電子番組表をはじめとするユーザーインタフェース、進化したエコ機能などを取り上げる。【坪山博貴】

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