三国志演義中でも最も有名な戦いの地名をとったオンラインゲーム「
赤壁」は,完美時空のMMORPGである。この春に正式サービスが始まったばかりの作品だ。
タイトルから想像がつくように三国志演義をテーマとしたMMORPGである。もちろん,ストラテジー要素などはとくになく,基本的には,ごく普通のMMORPGだと思っていればよい。
ちなみに,昨年のChinaJoyで「赤壁Online」として紹介されていた天暢科技の作品はすでに正式サービスが始まっているが,タイトルは「
三国伝奇ONLINE」と改められている。このあたり,どんな事情があったのかは不明である。
左:ゲーム内最大の街である長安 右:結婚クエストにも使われる人気マップ紅葉谷 | |
赤壁の大きな特徴は,キャラクターが扱える武器が多彩なことである。扱える武器は18種類(現在実装されているのは10種類)。
武器全種。絵柄からすると,ここでいう刀は大刀を意味している |
刀,槍,棍,剣,斧
爪,環,杖,扇,弓 未実装の,
錘,舞,盾,鈎,戟,簡,鉞,鏜は追って実装されるものと思われる。
名前の横の絵を見てもよく分からない武器もあるだろう。私も,簡(字体は違うが,要するに鉄の棒)あたりまではだいたい分かるのだが,残り二つは自信がない。まあ,たいていは殴られると痛そうな形状をしているので,そういう武器なのだろう。ただ舞と扇はなにが違うのか分かりにくい。聞いてみると,扇(鉄扇?)は殴り系の武器であるのに対し,舞(舞扇?)は魔法系の呪具のような扱いとなるそうだ。
それぞれの武器によって扱うためのスキルが異なり,例えば,剣の扱いは一流でも刀の扱いはヘタといったことがありうる。また,職業によって扱える武器が決まっているので,すべての武器で頂点を目指すのは,不可能ではないが非常に困難とのこと。すべての武器を極めれば,いわゆる
武芸十八般に通ずるということになるのだろう。
左:孫堅の娘,劉備の妻となる弓腰姫こと孫尚香。三国志演義で登場する人物はNPCとして登場する 右:孫尚香の親衛隊になった……らしい | |
見ての通り,キャラクターの造形は完美世界のキャラに似ている。同社の別系列であるデフォルメ系に対して一応,リアル系といってよいだろう。
最初のキャラエディットは,基本の顔を何種類からの中から選んでいく方式だ。ある程度種類は揃っているものの,完美世界のように自在に変更というわけにはいかない。同じ系統のエンジンを使用しているので,理屈ではできないわけはないのだが,自在な顔エディットは完美世界のウリということで,それ以外のゲームは自粛しているような状態だ。
男女の顔のパターン。細かいエディットはできないが,それなりにパターンは多い | |
三国に分かれてプレイするということで,赤壁も大規模戦闘をサポートしている。三国が入り乱れる「国戦」という要素もウリの一つのはずなのだが,「
三國志 Online」のようなRvRを想像するとちょっと違うようで,実際には細かい地域単位でのGvGを主体としているようだ。一度に対戦できる人数はまだ定かではないが200 vs 200の400人程度は大丈夫だという。
クエストは,ものにもよるのだろうが,会場で見せてもらったものでは長安にいるNPCからクエストを受けると,そのままダンジョンに転送され,クリアするとNPCの前まで戻ってくるという簡単仕様。自動移動システムなどもあわせて,ゲーム内システムはユーザーに優しそうだ。
下のムービーはクエストの一部だが,NPCを救出するミッションのようで,途中の敵は無視でOkらしい。
武林外伝で好評だった大域マップ上でのクリックで自動移動可能なシステムも継承されている | |
桃園の義をかわした場所らしいのだが…… |
前述の通り,歴史など教育に力を入れることは会社の方針のようで,三国志演義も「歴史」という認識のようである。ファンタジーではなく,ストーリーが現実に近いということ,実際の史実に基づく部分があることなどで歴史を学ぶということにも重きを置いているという。
とはいえ,ゲームはあくまでもゲームであり,史実とは違う。ダンジョンの入り口が長安に並んでいたり,ゲーム専用のマップがあったりなど,ある程度ざっくばらんにやってゲームと折り合いをつけてはいるようだ。まあ,誰だって,桃園の義の舞台となった桃園は,池の真ん中にそびえた巨大な桃の木の上のことじゃないだろうと察しはつくから問題はないか。しかし,これくらい派手にしないと覚えてもらえないんだろうか?
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