石原慎太郎東京都知事「皆さん、こんにちは。石原です。まずもってね、国民を代表して、与謝野さん、平沼さん、園田(博之衆院議員)さん、中川(義雄参院議員)さん、藤井(孝男参院議員)さんにこの決断に心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。特にですね、平沼さんや与謝野さんはですね、本当に、まさにかろうじて死線を越えてきた政治家ですよ。私の父親はね、造船を建て直すために、混乱している戦後にがんばりすぎて脳梗塞(こうそく)を2回起こして、3度目には亡くなりました。平沼さんもですね、脳梗塞で倒れた心情というのは、これは本当に本人にしか分からない悲痛なものがあったと思います」
「与謝野さんはですね、喉頭(こうとう)がんをやられている。あの病の最終に私、彼と一度、会う機会がありましたが、声もろくに出ずに、ネクタイがですね、首を絞めて痛いから、彼、ネクタイできずに国会の中でも許しを得てアスコットタイを結んでね、議場に出てた。実は同じ病気でつい一昨日、私の天資の友人が死にました。喉頭癌で。まだね、齢65、66歳の男でした」
「そういう人生の険しい峠をかろうじて越えてね、立ち返ってきたこの2人がそれぞれ代表になってですね、決心をしてくれた。これはホントに尊いことだよ。しかしあなた方含めてね、この中に60の齢、超した人いますか? いたら手を挙げてもらいたい。いないでしょ。30代、40代、あ、1人いた、50代の人間はね。60代や70代を年寄りだとバカにするかもしれないけど、まさにね、齢いくら重ねても春の気概を持っている人間ってのは、今、与謝野さんが引用された詩にあるみたいに、自分の人生を越えた理想を持った人間は若く見える。並んだこの5人見ると、60、70代の年寄りばかりじゃないか、言うのは簡単だよ。簡単だけど、じゃあ、30代、40、50の中に、われわれと同じくらい、この国を憂えている人間がどれだけいるんだい?」
「民主党を見てみろよ。みんな腰抜けじゃないか。僕らね、30代、40代の時に、本当に恐ろしい権力をもった田中角(栄?元首相)さんの金権と正面から戦う。青嵐会作ってやったんだ。中国のいいなりになって角さんが2週間で上げるという日中航空協定を私たち体を張って、あのときは外務省も一緒になって泣きながら反対して、2カ月半抵抗して、結局通された。あの後で、永野重雄さんらが言ってくれたのは、日中国交回復して代表団を迎えたときに、まず永野さんは、私は永野さんは知己を得てましたが、『周恩来がわれわれを歓迎してくれたときに非常に君たちのことをほめてたよ。ついていった財界人の誰かが、周恩来が、われわれはこれからのすべての日本人を歓迎する、と言ったら、おべっか使って、あの青嵐会のものどもですって言ったら、周恩来は呵々として笑って、いや、私は彼らを非常に評価しますよ。私は昔日本に長いこといた。日本人をよく知っているが、このごろ日本人はだいぶ変わってきましたな。しかし、昔ながらの日本人がいますね。彼らはそうですよ』と言ったそうだ」
「青嵐というのはね、私が付けた名前だけどね、(周恩来は)『中国語でもっとも美しい言葉の一つです』と言ってくれたそうだ。永野さんっていうのは、私、かわいがってもらってたから、お世辞言ってくれたのかと思ったら、後になって裏が取れた」
「まあ、なんで今の民主党の若い連中ってのは国民からひんしゅく買ってるこの金権政治に体を張って戦わないのかね。あなた方、そうじゃないか。われわれ、年代の年寄りを揶揄(やゆ)するのは簡単だよ。一緒にやってくれよ、何か。ホントにそれを訴えたいよ。ホントに今のメディアの特質はね、ホントにシニックで、人を誹謗(ひぼう)して、足引っ張って。それであなた方は第4権力かなんか知らんけども、権力を行使してエクスタシーを感じるかもしれんけど、何も生まれてこないよ、その中から。ここにね、この2人をトップにして、この5人なんですけど、本当に必要な、とにかく自分の人生を捨てたつもりでも決心をしてくれたってのは、この最近の日本の中で珍しいことじゃないんですか。国民だってそれを必ず評価して認めてくれると思いますしね」
「とにかくね、私はこのホテルの中にあるスポーツクラブに昔からいますけども、大体メンバーってのは高齢者が多いんだが、このごろ時候のあいさつはしなくなった。久しく会うメンバーに話を仕掛けると、『時に石原さん、この国どうなるんかね』。みんな同じこと言うよ。君らがもってない危機感をね、われわれ年寄りは持っているんだ。あなた方、人生の中でね、まあわずかしか生きてこないけど、私たちは戦争の記憶持ってる。私も戦争の体験がある。その人間がね、自分たちの短くもない過去を振り返ってみて、人生の中で相対感覚でね、この日本は落ち込んできたなあという実感、ひしひし持ってるの」
「あなた方は本当に平板にぬるぬる生きてきたから、その自覚ないかも知らんけどね、これは私たちはね、戦争始まってはらはらしていたら、大勝して、大勝してシンガポール陥ちたんだ。だが、あっという間に逆転して原爆でこの国は滅びる寸前まで行ったけど、アメリカの庇護(ひご)で立ち直ってきた。そして、あの戦後の荒廃、混乱の中からなんとか立ち上がってきた。高度成長、享受しているうち、日本の経済、なんか危なくなってきた。私は役人の言いなりになってですね、役人に使われている自民党の政治家にうんざりしたから辞めたんだ。私、予感当たったと思いますよ。自民党はは厚生省に滅ぼされた。自民党は。あなた方ものんびりしてるんだよね。あんなに年金の破綻(はたん)がきてね、フランスやイギリスだったら自覚ある市民はもう政府を越えて政党を越えて、政府を倒すような、要するに運動が起こったと思いますよ。日本では起こらない。選挙でその結果が出ただけの話で。まあ、これもね、のんびりしていいのかも知らんけど、それじゃあ、とても追いつかない、日本は来たと私は思う」
「だからね、この5人がですね、立ち上がってくれた。本当にこれは尊いと思う。年寄りだよ、私たちは。まさに年寄りだよ。年寄りがこうせざるを得ないようにだれがしたんだ。30代、40代、50代の人間にがんばってもらいたい。この国を考えて。まあね、本当にそういう心理で私はね、この5人に共感してね、それで応援団長を務めようということに名乗りを上げました。今後、本当にがんばってもらいたい。それで皆さんね、同じ日本人なら心意気に感じて、とにかく支えてもらいたい。揶揄して足を引っ張るのは誰でもできるよ。そんなことは。国民は決してそんなこと許さんよ。皆さんの力を貸してください」
「誰のためだよ、この政党のためじゃない。日本のためにみんなでこの辺で心構えを変えてね、よほどしっかりしていかないと、この国は本当にこのままずるずるずる落ち込んで、ジェットコースターの急降下じゃないけど、急降下の先に水落ちて上がってくりゃいいけど、上がってこない国になっちゃうな。まあ私は微力ですけど、この5人のためにがんばりますから。やっぱり年寄りなんで年寄りで、いろいろな力もある。ないものもあるけど、これから若い人たちに話しかけて、若いね、フレッシュなね、あっと驚くような候補者を立てこの参院選、戦います。がんばります」
藤井氏「今日決定した党名は『たちあがれ日本』だ。シンボルロゴマーク、みんなで真剣に検討し、シンボルに決まった。主たる意味は日の丸。日がのぼる日本。海があり、山、富士山がある美しい国。そこに住まう日本人。その日本人の伝統と精神を象徴するシンボルマークだ。日本国は海洋国家。海から日がのぼる。荒波をかきわけ立ち上がる。そんなイメージをデザインした。また英語表記だが、『THE SUNRISE PARTY OF JAPAN』としたい」
??結党の趣旨、綱領をみていると郵政民営化の記述がない。抜け落ちた理由は何か。また政界再編のイメージは。民主党との連携は
園田氏「まず、これ以外の具体的な政策についてご質問があった。これは次の段階で参院選を戦うためにも政策は具体化、段取りなどもご説明しなければならないから、その中でご提示するつもりだ。ただ、すぐ郵政は平沼代表と与謝野共同代表が、あのときに対応が違ったので違うのでないかと言われるが、これは見直しをいたします」
「ただし、与党がやっている見直しの観点と違う。全国、どんな田舎に住んでいる方にも、郵政3事業、郵便事業、貯金、保険。この3事業が必ず行き渡るようにしていく。ただし、あのとき決めた完全民営化の原則は変えない。従って貯金も保険も完全民営化をする。ただ2つの会社に対しても、今後とも全国どの地域にいてもサービスを続けなければならない。そういうものを、まず第一の手直しとする。そのほかのことについては、それに関連し、例えば特定の外国資本に乗っ取られる恐れはないのか。株を売るつもりのない郵便局や郵便事業会社が別々にやることが、地域住民に混乱を生じさせていないのか、などの大事な観点から見直ししてご提案したいと思う」
「政界再編はね、私はよく2大政党といわれるが、まず2大政党の体をなしていないということだ。現実に政権をとった民主党があの体たらくでしょ。国の責任を請け負ってもらえない。対抗勢力の自民党が、それに対し次の時、政権を取り返す態勢になっていない。つまり、2大政党が正しいかどうか別にしても、その2大政党の姿にすらなっていないということだ。われわれは今度こうやって日本が危ないと思って打ち立てた新党は、数は少ないけども、片方の大事な政党の勢力になりうるようにすることが、政界再編を進めることに必ずなるだろうと思う」
藤井氏「昨年政権交代となった。鳩山内閣が連立政権を組んだ。私はその内閣の顔ぶれをみて、これではとても立ちゆかなくなるだろうと思った。その後、政治とカネとかいろいろな問題があったが、普天間の問題などでも大変な混乱が起きていると思っている。政策で郵政民営化、そうでないなどの話があった。もう法案も成立し、園田さんからも話があった。それより根本的な自主憲法、あるいは安全保障、それと全く違う政党が内閣を組織する。それが日本を危うくする。このままでは立ちゆかなくなるという危機感を持っている」
「政界再編は、近く参院選が行われるが、われわれは何としても立派な政党として頑張っていきたい。私は自民党の中でも今のままではとても勝ちきることはできない、乗り切れないという方が同志の方でたくさんいると思う。私はそれは民主党の中にもたくさんいると思う。独裁的な民主党、イデオロギーが全く違う政権がこのまま日本を滅ぼすのでないか。そういう危機感をもって発起人になった。そういう意味で、ぜひ今後の私どもの政策遂行にあたってご理解いただきたい」
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