4Gamer読者かつR2プレイヤーであれば,生まれ変わるR2である「R2 -Reunion-」はすでにご存じのことと思う。明日12月16日に及ぼされる変更は,今までと打って変わって「プレイヤーの意見を元に大幅改善」したものであり,それに向けて,BOTへの対策/高額な有料アイテムの変更など,運営体制すら含めた大きな変更が施されるという。
とはいえ,2009年4月23日のサービス開始時に,4Gamerが把握しているだけでも2万人ものプレイヤーがいたR2も,最近では同接数百という寂れよう(ハンゲームはすべてが一望できるのが恐ろしい)。会社の事業として続けていくという判断をしたこと自体が驚きだし,何より,いままで押し黙ってきた運営チームが,ここへきて急遽頑張ります宣言をしたのがもっと驚きであったのが正直なところだ。というか,胡散臭さすら否めないし,おいそれとは信じられない。
それをそのまま運営チームに伝え,
メールインタビューの許諾および返答をもらったのが前回の記事だったわけだが,そのときに公約をもらった「インタビュー」についても,無事に行うことができた。
以下に続くやりとりが,そのときのほぼ全貌となる。前回の記事でプレイヤーのみなさんに送ってもらった要望も,なんらかの形でインタビュー中に混ぜ込むようにしたつもりだ。すでに"生まれ変わり"の日は明日に迫ってしまっているが,「どんな質問にもお答えします」という言葉に恥じない,ある種あからさまなやり取りを通じ,運営チームの気迫をお伝えしよう。
R2運営チーム プロデューサー 松本竜也氏 | R2運営チーム ディレクター 蛯子 歩氏 | R2運営チーム 品質管理担当 鈴木 章氏 | R2運営チーム ディレクター 篠田 健史氏 |
4Gamer: しかし,今日は松本さんだけかと思ったら,なんでこんなに大勢。
R2運営チーム プロデューサー 松本竜也氏(以下,松本氏): どんな細かいところにもお答えできるよう,それぞれの部署のリーダーを連れてきました。
4Gamer: なるほど。
本日は,お言葉に甘えてR2運営チームのやる気を聞きにきました。先日の記事にも書きましたが,基本的に「そんなこと今ごろ言われても」というのが私の本音ですし,おそらくはR2を辞めていった人達の中にも,同じような思いの人が少なからずいると思っています。
松本氏: はい。すべて受け止めて,それでも前向きに進める覚悟です。今日は,隠すことなくなんでもお話するつもりです。
4Gamer: さて最初は,ごく普通の質問からさせてください。今まで対応してこなかったのに,なぜここになって急に?
松本氏: 4Gamerさんにあの記事が掲載されてから,公式サイト経由のお問い合わせで,我々も同じようなご意見をたくさんいただきました。
本当のところ,今年の4月の段階から問題は認識しておりました。しかしそれらの問題が本当に根深い問題で,どれも対策に時間がかかってしまったというのが正直なお答えです。
4Gamer: 時間が,とおっしゃいますが,4月に認識していて今12月ですよ。もちろん1週間や1か月程度でどうにかなる問題だとは思っていませんが,さすがに時間かかりすぎじゃないでしょうか。
それでその「対策に時間がかかった問題」というのは,「対策」と言っている以上,BOTと有料アイテムの値段が主ですか?
松本氏: はい,そうです。
まずBOT対策の携帯認証に関してですが,やはりシステムの再構築に時間がかかってしまいました。あとアイテムの値段が高いという部分に関してですが,こちらは,お客様が購入されるアイテムに関して,事実上必須であろうと考えられるもののみ,期間限定でキャンペーンで値下げなどは行わせていただいていました。
しかしこの問題は我々だけで決められる問題でもありません。当たり前ですが,アイテムの値段を下げるということは,そのまま売り上げが下がることに直結しますから。
4Gamer: まったくそのとおりですね。
松本氏: ですので,そこはすごく協議を重ねました。最終的には開発会社にも理解してもらえたので,時間がかかりすぎてしまったのは申し訳なかったのですが,今回のタイミングで値段を変更できることになりました。
4Gamer: うーん……もし本当に4月から問題を認識していたのなら,なにがしかの形でアピールしてもよかったんじゃないでしょうか。何も発表がない=何も動いていない,と同義ですよ,プレイヤーからすれば。
松本氏: はい。我々自身の運営が不慣れだったという部分は否定できません。
例えばBOTに関してですが,クリーンシステムの段階的導入,などがあります。最初は「正しい数字を入力しないとアカウントを凍結します」という形で実装しましたが,それでは海外の不正接続者が防げません。なので次には日本語の入力を求めるようにしたりと,システムのアップデートは繰り返していたのですが,それそのものが大きな対策になったとは言えなかったのが実情です。
4Gamer: 行動で示そうと思ったけれど,結果に結びついてはいなかった,と。
松本氏: はい。そこが大きな反省点です。
やはり,しっかりとした対策をお客様に見せなくてはという気持ちがある一方,今できることを早くやらなくては,という考えもあって,中途半端になってしまっていたのです。
4Gamer: 日本のパブリッシャさんはみなさんそうですよね。「ちゃんとしたことやらなきゃ。だからまだ言えない」って。でも言わなきゃ,何を認識していて,何を問題視していて,何をやろうとしているのかさえ伝わらないと思うんですが。
消極的手法ながらも根本的な解決を目指すBOT対策――そのSIMに紐付いたすべてのアカウントを凍結させます
4Gamer: 先日の記事でのアンケート結果を見る限り,R2を辞めてしまった理由の34%がBOTでした。次いで,15.8%の人が有料アイテムの価格,14.6%がクラスバランスの悪さ――これが3位なのはちょっと意外でした――10.9%の人がレベルアップのだるさ。
というわけで,新しくサーバーも立つことですし,最も重要なBOTへの対策について,詳細をお聞かせください。携帯認証ってことは当然携帯がないと遊べないわけですが,「携帯」というのはどこからどこまでが含まれるんですか?
松本氏: 弊社が運営しているモバイルサイト「ハンゲ.jp」のサービスを利用しようと思っているので,ハンゲ.jpに対応している携帯が「対応」になります。
R2運営チーム ディレクター 蛯子 歩氏(以下,蛯子氏): つまり,主要携帯3キャリアとなります。
4Gamer: なるほど。イー?モバイルやウィルコムは無理そうですね。主要3キャリアの中でも,Android携帯やiPhone,Windows Mobile……もやっぱり無理ですよね。
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