レトは、99年のこのレースで2着だったザカリヤの産駒。マイナー種牡馬で、種付け数も少ない中から誕生した孝行息子だ。
リベンジを果たすために、生まれてきたのかもしれない。レトという名前は、スペイン語で「挑戦」を意味する。父ザカリヤは、99年のNHKマイルCでシンボリインディの2着。わずか3/4馬身差で逃したタイトルに、今度は息子が挑む。
ザカリヤは、オーナーブリーダーのサンシャイン牧場(北海道日高町)でけい養されているマイナーな種牡馬。種付け料は、受胎を条件に30万円に設定されているが、牧場外で種付けすることはまれで、これまで国内で22頭がデビューして、JRAに所属したのは3頭しかいない。
そんな中、初めて中央の芝のレースでデビューしたのがレトだった。「兄姉の中で、最も(特徴などを)つかみやすかったし、いずれにせよ、芝で走ると思った」。兄アロマンシェス(父ザカリヤ、6歳1600万)、姉シャランジュ(父テンビー、5歳1600万)を管理している本間調教師の見立てに、間違いはなかった。
昨夏の福島でデビュー。初勝利までに5戦を要したが、500万の黒松賞で連勝し、アーリントンC、ニュージーランドTとマイル重賞で続けて3着に入った。「一度ダートを使って、馬にはかわいそうなことをしたけど、馬がしっかりしてくれば大丈夫だと思っていた」。指揮官の期待にたがわぬ成長を示している。
レトを送り出したサンシャイン牧場を創始した伊達秀和オーナーが、3月19日に死去。特例で、息子の敏明氏に勝負服が“譲渡”された。「昔からのオーナーブリーダーだけに、頑張ってほしい。3兄弟を預かってきたけど、何とかこの子で結果を出したい」と本間師。ザカリヤと同じ勝負服をまとった“挑戦者”が、11年前の雪辱を果たす。
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